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2002年5月に、アトピー性皮層炎の患者の歯に穴を開け、消毒薬をつめるというデタラメな治療を続けた都内の歯科医が、資格外診療をしたとして医師法違反容疑で逮捕された。
「アトピー洗剤」を塗って、4歳の男児が死亡したケース(95年)など、死亡例も複数にのぼる。 T教授によれば、混乱は日本特有のもので、世界的にはアトピー性皮層炎の治療法は定まってきている。
皮層科医にとっては、教科書で習うような基本的なものなのだという。
日本皮層科学会は、民間療法や特殊療法による健康被害が広がるのを防ぐために、不適切治療による健康被害の実態を調査して公表した。
同時に、改めて学会のコンセンサスとしての治療ガイドラインをつくった。 しかし、「ガイドラインに沿った治療をおこなっている医師はまだ半数程度ではないか、そして混乱の最大の責任者はマスメディアでもなく、患者でもなく、医療サイドにあったと認めざるを得ない」とT教授は話す。
「一部の患者さんは性急に結果を求め、原因を特定してほしい、短期間で治したい、体質を変えたいといった要求を出します。 しかし、アトピー性皮層炎は慢性疾患で、皮層の炎症をおもな特徴とする病気であるがゆえに、ステロイド外用薬を中心に粘り強く炎症をコントロールしていくしかありません。それを患者さんに理解してもらう必要があるのです」ともT教授は話している。

日本皮層科学会でT教授を委員長とし、全国の大学病院で98年10月から1年間にわたって調査した結果、入院が必要と判断された重症例が349例あった。
30例の教育入院をのぞく319例のうち、不適切治療による悪化例は140例(44%)で、ステロイド外用薬の副作用は3例(1%)だった。
不適切治療のうち、皮層科以外の医師によるものが52例(37%)、皮層科医によるものも37例(26%)ある。 問題点としては、@非専門医による特殊療法の横行、Aマスコミ上の名医による無診療投薬、B漢方薬療法にたよりすぎる傾向、C依然として存在する厳格食事制限療法、D非皮層科医による安易な脱ステロイド療法の拡大などがあげられた。
休学、退学、離職、休職が40例(29%)、ひきこもりが21例(15%)など、社会生活に支障をきたす例がかなりあることも明らかになった。

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